免疫沈降/IP-PC-3細胞ライセート

免疫沈降は、沈降可能なマトリックスに付着した特異的抗体に結合することによって抗原を単離する技術である。また、ゲル濾過や密度勾配沈降などの他の技術によって分離されたタンパク質分画を分析するためにも使用される。免疫沈降のための抗原の供給源は、非標識細胞または組織、代謝的または内在的に標識された細胞、またはインビトロ翻訳タンパク質であり得る。このユニットでは、種々の手段によって溶解された懸濁細胞または接着細胞を用いた広範囲の免疫沈降技術が記載された。通常、プラズマ導入された細胞または天然細胞は、免疫沈降のための理想的な試料である。

PC3(PC-3)ヒト前立腺癌細胞株は、前立腺癌研究に用いられる細胞株の1つである。これらの細胞は、進行前立腺癌細胞における生化学的変化を調べ、化学療法剤への応答を評価するのに有用である。また、マウスの体内で皮下腫瘍を産生するために使用することができる。これにより、生物の状況における腫瘍環境のモデルをさらに調査することができる。中程度の転移能を有するDU145細胞および低い転移能を有するLNCaP細胞と比べ、PC3細胞は高い転移能を有する。
PC3細胞株は、1979年に62歳の白人男性の前立腺癌グレードIV骨転移から確率された。これらの細胞は、アンドロゲン、グルココルチコイド、または表皮もしくは線維芽細胞増殖因子に応答しない。
PC3は、テストステロン-5アルファレダクターゼおよび酸性ホスファターゼ活性が低く、PSA(前立腺特異抗原)を発現せず、PSMA陰性(前立腺特異的膜抗原)である。さらに、核型分析によると、PC3がほぼ三倍体であり、62の染色体があることが明らかになった。また、Qバンド分析によるとY染色体がないことが明らかになった。形態学的観点から、電子顕微鏡によって、PC3が低分化腺癌の特徴を示すことが明らかになった。それらは、多数の微小絨毛、結合複合体、異常な核および核小体、異常なミトコンドリア、環状ラメラおよび脂肪体のような上皮起源の腫瘍性細胞に共通の特徴を有する。