B7-H4 / B7S1 / B7x 免疫チェックポイント経路

B7-H4 / B7S1 / B7x 免疫チェックポイント経路:説明

B7-H4 / B7S1 / B7xがmRNAおよびタンパク質レベルで多くの種類のヒト癌に発現され、予後不良とネガティブ に相関すると報告されている。ヒト腫瘍におけるB7-H4 / B7S1 / B7xの発現は、腫瘍における転写後の異常な調節に起因する可能性が最も高い。なぜなら、豊富なB7-H4 / B7S1 / B7x mRNAが検出されたが、その細胞表面タンパク質発現は正常なヒト組織では稀だからである。B7-H4 / B7S1 / B7xは、ヒト神経膠腫および髄芽腫由来の非分裂腫瘍細胞に優先的に発現される。

腫瘍細胞におけるB7-H4 / B7S1 / B7x発現の増加は、重症複合型免疫不全症(SCID)/ ベージュ異種移植成長モデルを含むいくつかのモデルにおける細胞アポトーシスの減少および腫瘍の増殖の増強と相関する。B7-H4 / B7S1 / B7xはまた、広範囲にそして多様にN−グリコシル化されることが示されており、これは免疫監視を回避するための「バリアー」メカニズムとして役立ち得る。報告されているように、腫瘍進行におけるB7-H4免疫チェックポイント経路の役割は、前癌性細胞を形質転換し、次いでそれらを免疫監視から保護することであり得る。さらに、ある研究では、B7-H4 / B7S1 / B7xの過剰発現は、増殖速度、細胞接着、遊走、および浸潤の増加によって免疫不全マウスの卵巣癌の腫瘍形成を促進することが示されており、これはB7-H4免疫チェックポイント経路が免疫とは無関係に腫瘍形成に直接影響を及ぼし得ることを意味する。別の研究では、正常細胞上でのB7-H4 / B7S1 / B7xの過剰発現はおそらく形質転換前の細胞をアポトーシスから保護することによって、上皮細胞の悪性細胞形質転換をもたらした。なぜなら、in vitroでの腫瘍細胞株上でのB7-H4のsiRNAノックダウンがアポトーシスの増加をもたらしたからである。しかし、腫瘍形成に対するB7-H4 / B7S1 / B7xの直接的な効果は上記の2つの研究でのみ実証されているため、正確なメカニズムはさらなる調査が必要である。

腫瘍微小環境において、腫瘍細胞に加えて、腫瘍浸潤性マクロファージ、および小血管の内皮細胞もまた、B7-H4 / B7S1 / B7xを構成的に発現することが示されている。B7-H4 / B7S1 / B7xは卵巣癌患者の腹水中の腫瘍関連マクロファージに高度に発現され、そして腫瘍進行に寄与する。アンチセンスオリゴヌクレオチドによるB7-H4免疫チェックポイント経路の遮断は、マクロファージの機能を回復させてT細胞を刺激し、そしてin vivoで腫瘍の退縮を惹起する。

B7-H4 / B7S1 / B7x 免疫チェックポイント経路: 参考文献

Changjun He et al. The Inhibitory Role of B7-H4 in Antitumor Immunity: Association with Cancer Progression and Survival. Clinical and Developmental Immunology. 2011: 8.